糖尿病とは

健康な人の場合、血液の中に含まれているブドウ糖は膵臓などから分泌されるホルモンによって調節され、全身の細胞に過不足なく届けられます。糖尿病は、こうした働きに支障を来たしてしまい、血液中にブドウ糖がだぶついてしまう病気です。長期にわたって血液中のブドウ糖が過剰な状態が続くと、動脈硬化など様々な問題が起こり、様々な合併症を招きやすくなります。糖尿病が原因となり、心筋梗塞や脳梗塞、人工透析、失明などの深刻な事態に陥る場合もあります。
早めの受診が大切です
一度糖尿病になってしまうと、現在の医学では完治することは難しいですが、食事療法や運動療法による生活改善、薬物療法による血糖値の調整、さらには体重や血圧、血中脂質の改善に努めることにより、合併症のリスクを減らすことは十分に可能です。
健康診断で血糖値の高さなどを指摘された方は、お早めに医療機関を受診し、治療を開始するようにして下さい。
糖尿病の主な症状
糖尿病の初期段階では殆ど自覚症状が見られません。下記のような症状・徴候が見られたときは、お早めに当クリニックに受診するようお勧めします。
- 急な体重の減少
- 喉がよく渇く
- 頻繁にトイレに行きたくなる
- 以前と比べて体重が増えてきた
- 疲れやすくなった
- 手足がむくんでいる
- 立ちくらみする
糖尿病の治療について
糖尿病には幾つかのタイプがありますが、日本人に最も多く見られるのは不摂生な生活習慣などが原因となって発症する2型糖尿病です。この治療にあたっては、血糖値を適正に保てるよう食事療法、運動療法、薬物療法を組み合わせて行うことが大切です。血糖値だけでなく、体重や血圧、コレステロールなどもコントロールすることにより、糖尿病に伴う様々な合併症のリスクを減らしていくのです。糖尿病の初期段階ならば、まず食事療法と運動療法によって血糖値を正常に近づけます。しかし、上手く下がらないときは、内服薬による治療も併用する必要があります。
なお、罹患者数はそれほど多くないのですが、血糖値を引き下げる働きのあるインスリンが絶対的に不足することによって起こる1型糖尿病もあります。この場合は、インスリンを適切に補充することが重要となります。これによって血糖値をコントロールし、発症前と同様の生活を送れるようにします。