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脂質異常症とは
脂質異常症とは、血液中のLDL(悪玉)コレステロールやHDL(善玉)コレステロール、中性脂肪(トリグリセリド)などが必要以上に増える病気です。増加している脂質の種類に応じて、高コレステロール血症、高グリセリド血症、低HDLコレステロール血症などに分類されます。
診断においては、以下の数値を基準とします。
中性脂肪:空腹時150mg/dL以上、非空腹時175mg/dL以上
Non-HDLコレステロール(総コレステロール-HDLコレステロール):170mg/dL以上HDLコレステロール:40mg/dL未満
基本的には無症状ですが他の生活習慣病と同様、気づかないうちに進行し、命に関わるような合併症を引き起こす可能性があります。
こんなことに心当たりがある方は要注意
脂質異常症の最大の原因は、日常の生活習慣にあります。そのため、以下の項目に当てはまる数が多い方は、一度医療機関で適切な検査を受けることをおすすめします。
- 移動には基本的に車を使う
- 通勤時などは階段を使わずに、エレベーターやエスカレーターを使う
- 休日は外出せず、家の中で過ごすことが多い
- 運動はあまりしない
- 最近急激に太った
- 太っている自覚がある、もしくは周囲から太っていると言われる
- 健康診断でメタボリックシンドロームだと言われた
- 脂っこい食べ物やアルコールが好物
- 果物や甘いものが好物で、毎日のように食べている
- 仕事やプライベートで長期間、強いストレスを感じている
- 親族に脂質異常症の人がいる など
脂質異常症の合併症
血液中の脂質の量が増えると血液がドロドロになり、血流が悪くなったり、血管に損傷を起こしたりするようになります。その結果、以下のような様々な合併症を引き起こす可能性が高まります。
動脈硬化(アテローム性動脈硬化症)
動脈硬化は、血管内にコレステロールなどが蓄積し、血管の壁にこびりつく病気です。この状態が進行すると、アテローム性動脈硬化症となり、血管が狭く、硬くなり、血流が悪くなります。
初期段階では症状がありませんが、進行すると胸痛や狭心症、心筋梗塞などの症状が現れることがあります。放置すると、血管がより狭く、硬くなり、心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気に発展するリスクが高くなります。
冠動脈疾患
冠動脈疾患とは、心臓の筋肉に血液を届ける冠動脈が、血管の壁にこびりついたコレステロールなどによって狭くなり、心筋への血流が減少することで引き起こされる病気です。症状は胸痛(狭心症)、息切れなどがあります。放置すると、命に危険が及ぶ可能性が高くなります。
脳卒中(脳血管障害)
脳卒中は、脳血管における血流の阻害や出血によって脳の損傷が引き起こされる病気です。症状には突然の顔や手足の痺れや麻痺、言語障害やめまい、意識障害などが挙げられます。脂質異常症による動脈硬化などがリスク要因となって引き起こされる場合があり、放置すると脳梗塞などに発展する恐れがあります。
脂肪肝
脂肪肝は、肝臓に脂肪が蓄積し、肝機能に異常が生じる病気です。初期段階では無症状ですが、肝機能の低下により腹部の膨満感や疲労感などが見られることがあります。脂質異常症が慢性化すると、肝臓に脂肪が蓄積し、脂肪肝のリスクを高めます。放置した場合、より深刻な肝炎や肝硬変などに繋がる可能性があります。
膵炎
膵炎は膵臓の炎症であり、腹痛、消化不良、嘔吐などの症状を引き起こします。脂質異常症が重症化すると発症することがあり、放置すると免疫機能の低下や糖尿病、がん(特に膵がん)などのリスクが高まる可能性があります。
脂質異常症の治療方法
脂質異常症の治療には、食事療法と運動療法による生活習慣の改善が効果的です。血液中のコレステロールや中性脂肪の量を減らす薬を使った薬物療法が行われる場合もありますが、脂質異常症の原因はあくまで生活習慣なので、一般的に治療の中心は食事療法と運動療法となります。これまでの生活習慣を見直し、無理のない範囲で改善していくことが大切です。